2019-01-01から1年間の記事一覧
抱きしめて、眠りについた。 目が覚めたら、すり抜けて、空っぽになっていた。 あぁ、夢だったのかなぁ。 あーあ、夢だったんだな。
たっぷりと睡眠をとった土曜日の朝。昨日は早くに睡魔に襲われ、今朝は明るくなってもなかなか目が覚めず、あわや約束の時刻に遅れそうになったとこだ。 秋の清らかな空気から急に冬の寒気が差し込んできたこともあり、どうやら思った以上に身体は疲れていた…
とある週末、僕は国道を北西へと車で走っていた。天気はいいが、風が強く外にいてはかなり寒く感じる日だった。 隣県との境になる山脈へと向かう国道は、紅葉狩りを楽しもうとする客たちにより、かなり渋滞していた。色とりどりの車が織りなす列は、紅葉より…
このようなことを言われた経験のある方はいるだろうか? まあ、まずいまい。 そもそもオットセイを生で見るのは水族館しかない、というのがほとんど。その水族館に従事している方でも飼育している動物に対し、こんな行動をする場面はないだろう。 線引きが難…
青春 朱夏 白秋 玄冬 アオハルかよ アカナツかよ シロアキかよ クロフユかよ 青春と朱夏に線引きがないように、朱夏と白秋の間にも線引きはない。 緩やかに、いつのまにか知らないうちに、出来たことが出来なくなり、造ったものが壊れていく。 高く澄んだ空…
何十年も前から好きな曲がいくつかある。 たいていは聴き始めたころの匂いや感情がついてくる。 通学時のチャリ、土手に腰おろして見た夕焼け、冬の夜、徹夜明けの夏のテンションの高い朝、絶望した梅雨の暗い空。 いつの日か、その頃のラブソングやロストソ…
喫茶店に入り、アイスコーヒーを注文した。完全分煙化の店内の二階、奥の方のガラス扉を開ける。入ってすぐ脇に小さい灰皿が積み重なっていた。 コーヒーを一口すすり、煙草に火をつける。この二つの大人の嗜好品はどうしてこんなに相性がいいのだろう。 最…
つい十日ほど前まで気象予報士が「梅雨寒」という言葉を発していた。 今は太平洋高気圧が張り切りすぎているのか、連日の真夏日もとい猛暑日、そして熱帯夜。 自然と街は露出度が高くなり、今日は黒い袖なしのワンピースを二度ほど見かけた。 少し歩いただけ…
不思議なもので、付き合いが長くなればそれだけプラトニックな関係になっていく。
プライベートが充実していると、精神が安定する。 精神が安定していると、インプットされる情報量が増える。 インプットが多いほど、アウトプットしたくなっていく。 何かを生み出したりするには、まずご自愛を。
2003年の6月1日から30日まで、勝手に禁酒をしていた。 30日の夜中まで、予兆がみられなかったのでいったん帰宅した。 そのまま眠りこけてしまい、昼過ぎに急いで向かった。 ふわりと、誇りの断片のようなものが生じた気がした。 その誇りが、父性へと成長す…
紙に十字の線を引き、「上」「下」「左」「右」の漢字をそれぞれの意味する箇所に配置する。 対称の漢字を熟語にして読む。 「上下」じょうげ 「左右」さゆう 縦書きは上から下に、横書きは左から右へと読む日本語の規則にのっとっている。 同じように十字に…
自分自身の存在を自ら肯定するために、「何かしら誰かしらのために」という目的を上げることは多い。 子どものために、こういう親であるべき。 親を安心させるために、なるべく良い職に就くべき。 担任のために、良き生徒であるべき。 指導者のために、良い…
最近読んだ本の中に「記憶は時間を温める」とあった。 記憶は時間を温める、もちろんクールダウンさせることもできる。 温度を与えるという点では同じだ。 冬から春へと変化する空気のなかに、形も名前も知らない花の香りが漂う。僕の鼻はそれを感じ取り、人…
生まれてから、知識、知恵、体力、免疫力、経済力などが少しずつ増えていく。 しかし、それらはいつか喪失する。 僕らは蓄え増やし、失う。 誕生から死までをx軸としたグラフにしてみたら、それぞれのy軸のピークはどこなのだろうと考える。 学生時代で運動…
昨日は15℃くらいまで気温があり晴れていたが、今日は10℃に届かず雨が降っている。 雪の少ない今年の冬が、春との間で揺れている。 喫茶店に入り、濃い目のコーヒーを注文する。昨日ならばアイスだが、さすがに今日はホットだろう。 土に籠っていた動物が穴か…
思い出だけが増えていく。 雪道を一歩一歩、踏みしめるように。 ふと鼻をくすぐる君の残り香。
悪夢にうなされたわけではなく、ごく自然に朝の光を受けて目が覚めたはずなのに、なにか嫌な予感がした。 アラームを解除しようと枕元のスマートフォンを手に取る。メッセージが一通届いていた。 「あなたの部屋に指輪を忘れたみたいなの」 先日、成行きで部…