HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

サマードレス

つい十日ほど前まで気象予報士が「梅雨寒」という言葉を発していた。

今は太平洋高気圧が張り切りすぎているのか、連日の真夏日もとい猛暑日、そして熱帯夜。

 

自然と街は露出度が高くなり、今日は黒い袖なしのワンピースを二度ほど見かけた。

 

少し歩いただけでヘバり気味だったので、喫茶店へ入り涼をとる。

アイスコーヒーを頼み、タバコを吸う。

濃い目のコーヒーが氷とよく合う。少し溶けてもちょうどいい。

 

コーヒーのカップが汗をかいてきた。

正確には内側から発した水分ではないから汗ではないし、代謝のない無生物が汗などかくか、という話だが、このカップやグラスが「汗をかく」という表現は好きだ。

妙に飲んでいるものに愛着がわいてくる。半擬人化して距離を縮めているのだろうか。

 

祭りの前で活気があふれている。冷やしパインを片手に、商店街を歩く人たち。

ビールやレモンサワーで喉を潤したいが、仕事中だったことを思い出し、活気が急に妬ましくなる。

 

高気圧の勢力はこんなに広いのに、自分の狭量さに驚く。