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妄想雑記

無人島へ

無人島へ一つだけ持って行くなら、どの調味料にする?』という質問をよく聴く。日本人なら醤油だろ、塩は海水から作れるし、あ、それなら甘味料の方がいいのかな、とか瞬時に考えるだろう。


調味料を選ぶに際し、キモとなるのは"どんな食材が手に入るのか?"ということだ。無人島と言うくらいだから島なんだろうし、周りは海。釣れるかどうかは別として、魚介類や海藻なんかは手に入るだろう。砂浜を海と反対に行けば、森があるだろう。無人島とは森を抜けて見つけた岩山に登り、そこから周囲を見渡して「陸続きじゃないのかよ!」と知るケースが多い。森にどんな動物が住んでいるかは見当もつかないが、植物は生えており果実や葉肉は食料として活用できるかもしれない。


他にも考慮すべき点はある。どのくらいの期間無人島に滞在するのか、そもそもなぜ無人だと分かっているところに行かねばならないのか、自分の意思で行くのなら調味料を一つに絞らなければいけない理由はあるのか。


なのでこの質問自体が、細かい設定を何もしていない"不誠実な質問"である。



こういう質問に変えてみてはどうか。『国外に左遷が決まり、税関の関係で国内から持ち出せる調味料は一つだけの場合、何を持って行くか?ただし赴任先は一定期間滞在するとまた別の場所へ異動になる』


最後の文を付け足したのは、行き先が限定されてしまうと容易に土地の文化を想定できてしまうからだ。


西欧なのか、アジア圏なのか、街はあるのか、海はあるのか、雨は降るのか、気温はどうか、砂漠のような何もない場所か。ここまで行き先が不明であれば、食材の予想もできない。よって、回答は「塩」になるだろう。水分の次に大切な塩分、使い方によっては食料の長期保存にも使える。


無人島』に行くなら塩じゃなくてもいいが、『どこに行くのか分からない』のであれば保険をかける意味で塩が選ばれるだろう。




本当は無人島にも外国にも行きたくなくて、塩以外にも調味料がある自宅にいたい。と答えたい。