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妄想雑記

不思議な農道

乾いた農道を歩いていた。道幅は3メートルくらいあるだろうか。田畑はその道よりかなり低いところにあって、農道は堤防のような役割をしている。

両側に自然の用水路が流れている。僕の進む方向と同じく、後ろから前へ水は動いていた。左後方の遠くに、猟銃を携えたハンターと警官が数人いる。何かの動物を駆除しようとしているのだろうか。

右側の用水路を見ると大きな鯉が泳いでいた。6,70センチくらいありそうだ。色も灰色ではなく金色味を帯びている。

田畑は秋の実りを収穫された後、土がむき出しになっている。道も田畑も煤けて淡い黄土色で、空は薄い雲に覆われている。

再び用水路に目を向けると、オオサンショウウオが先程の鯉の横腹に食いついていた。これも1メートルくらいの大型だった。僕と同じ進行方向へ咥えたまま流れていった。

少し目で追っていると、右後方から何かの気配を感じた。オオサンショウウオを追うのをやめ、立ち止まっていると今度はワニがゆらゆらと水の中に現れた。橙色で2メートルはゆうに超えている。さっきの猟友会たちが探していたのはこいつだと思い、手を振り彼らに合図をした。ハンターの一人が追いついて来たころ、ワニは鯉を咥えたままのオオサンショウウオに食らいついていた。弱肉強食、自然界のピラミッドが思い浮かんだ。そこに銃を持った人間が来たのだ、結果は明らかに思われた。

ハンターは流れの中を歩いてきた。突如、ワニは尻尾を伸ばしその足元に絡みついた。ワニは大蛇に変わっていた。そのまま、ゆっくりと大きな鎌首をもたげ、視線は僕を捕らえた。数メートルはある白金色の大蛇と目が合う。ここで初めて恐怖心がこみ上げてきた。

大蛇は目をそらさないまま、カチ、カチッと歯を鳴らしている。生態には詳しくないが、一種の威嚇行動なのだろうか、非常にマズい状況だ。こちらも目線を合わせたまま、少しずつ足を動かした。やがて、崩れかけた石壁が現れ、僕はその陰に隠れようとした。ちょうど窓があったと思われる穴で再び視線が合った。どうやら視力だけでこちらを感知しているのではないらしい。サーモグラフィーのように体温を感知しているのか。少しでも遠くへ行かなければ、と思った瞬間、蛇の頭は豹に変わり、こっちへ猛ダッシュしてきた。