HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

a magazine

『昨日はわりと酔っ払ってたのかもしんねーなー。
なにしろ、店を出て先輩たちと別れたあと、"ラーメンは太るから食わないようにしよう"ってシメの店を選んでたんだよ。そりゃぁもう、色んな店から誘惑があったさ。
でも、なんとか我慢して、立ち蕎麦屋に入ったんだ。で、そこでザル蕎麦食ってさ。いつもタクシーに乗る喫茶店の前まで行こうと思ってたら、いつのまにかマクドナルドでマックポークをテイクアウトしてたんだよな〜。せっかくラーメン我慢してザル蕎麦にしたってのに。

タクシーん中で食いながら運ちゃんと話してたら、もう家の近くまで来てて、寒いからそのままの格好で寝てたよ。

んで起きがけに見た夢の中で、オレはフェンスを登って飛び越えようとしてるんだ。って言っても、せいぜい1メートルくらいの高ささ。でもやっぱり、夢の中の自分もどこかで怖がってるんだよな。無意識のうちに、腰をさすってたよ。でも、着地は成功した。踵も腰も、無事だった。
夢っていえば、前に別れた女の子は最近さっぱり夢にも出てこなくなったなー。今ごろどこでなにしてるんだろ。
ま、女って、別れた相手の事はスッキリ割り切れるらしいしな。なんだっけ?引き出しかなんかの例え。"男は思い出を引き出しにしまうが、女は引き出しごと取り替える"だっけか?でもこれって、セックスの時のオーガズムに関しては逆だよな。男はイッたらそれで終わり。でも女のオーガズムって何分か続くんだろ?恋愛感情の終焉とセックスの絶頂の感じ方が男女で対極に違うってのも面白い話だよな』




昼飯を食わないまま、呼び出してきた友人の話を聞かされている。

ただ、彼が何を言わんとしているのかは全く理解できない。

まだ酒が残っているらしい、饒舌に喋る彼の口をボーッと見ていた。

彼の口から発された言葉たちは、僕の耳元でふわりと消えていく。




冬の風にあおられて、捨てられた雑誌がペラペラとめくれていく。

なんだか目の前にいる友人の言葉と似てるな、とだけ思った。