HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

愚か者と神の声5

『残念ながら、そなたの願いは永遠に叶わぬ』



「なぜですか!?"世界中のみんなが幸せでありますように"ってみんなのためを思って・・・」



『創世の時点で、人間たちの言う"質量保存の法則"は決めていた。それと同じように、"幸せ"と"不幸せ"の相対量は半々と決めてしまったのだ。これはもう不変の法則である』



「どうにかならないのですか?万物の創造主なのであれば、幾らでも変更できるのではないでしょうか」



『質問に質問で返すようだが、そなたの言う"みんな"とは?』



「・・・。」



『仮に、そなたの言う"みんな"が全人類だとしよう。そなたの会った事もこれから会うことも無いであろう人間たちを含めて。では、幸せの定義とは?私の知る限りでは幸福の価値観はそれぞれ全く違うぞ』



「各々が各々の望む幸せを全うできる、ではいけないでしょうか」



『不可能だ。たとえば"殺したいほど憎んでいる"相手の死が、とある人間の幸せであるならば、その対極にはまた別の不幸が現れる。"世界征服"を望んでいる者の幸せを叶えるならば、そなたを含め他の人間達が不幸だと感じるであろう』



「"不可能"だなんて、神様の口から聞きたくはありませんでした」



『イチ人間が、神と個人的な対話ができただけ特別だと思うがよい』



「不可能だろうと、愚か者となじられようと、懲りずに願い続けますよ、僕は。」