HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

ブルームーンは雲の向こうに隠れんぼ

朝起きると、さっきまで見ていた夢のせいか、身体が重い。

それでもなんとか寝床を抜け出し、一日を始める。

出かける際に利用したバスは空いていて、その分不愛想な雰囲気があった。

時間をつぶすためにチェーンの安い喫茶店へ入った。

200円のブレンドを注文し、代価を支払い、コーヒーを受け取った。途中で紙コップに冷水を注ぎ、喫煙席へ向かう。

鞄の中から本を取り出し、煙草を咥えて火を点け、コーヒーを啜りながら活字を追っていく。

ところで僕にとって熱いコーヒーは食事一食分に近い。ほぼほぼ空だった胃にカフェインが流れ込み、満腹になったとどこかで勘違いをする。

煙草の二本目を吸っていると、コーヒーが突然ただの苦い液体に変わった。唐突に、ただの生温い黒くて苦いだけの液体。僕は自分の味覚の急激な変化について行けず、少し混乱した。

安いコーヒーだったからだろうか。紙コップに注いだ水の方が美味しいと感じた。

自分の中で興が覚め、僕は店を出ることにした。

なんか損をした気分だったが、店を出てすぐの交差点の信号が青に変わったため、今度は少し得した気分になる。