「ビールが欲しくなりますね」
テレビ番組でたまに使われるこのコメントは、料理を提供した側からするとかなり高めの賛辞をもらったものだと思う。アツアツでサクッとジューシー、なおかつピリ辛スパイシーでやや濃い目の味付け。好き嫌いを除けば、ほぼ万人が幸福感を得られる条件だろう。そして味の余韻が残る喉に流れ込む冷えた炭酸と苦味。
ただこれは「飲みたいけど飲めない」状況にあるからこそ発言できるものであって、例えば誰かの家に招待されて料理をご馳走になった際に言ってしまうと、ただの催促になりえるから注意が必要だ。
「ごはんが欲しくなりますね」
これは冷たいものにも熱いものにも言える。炊かれた白米が持つ包容力、おかずとごはんを交互に食べることによりエンドレスな幸福感にも包まれることへの願望。
ただし、「やや味が濃い」と受け取られかねないので注意。
「作り方教えてもらっていいですか」
この料理をもっと食べたい、たとえ家で一人でいてもまたこれを食べたい、幸福感の再現を願う、賛辞の言葉。
だが手の込んだ料理に対して使ってしまうと、その手間を簡単なことだと勘違いしているように捉えられるかもしれない。あくまで「自分にもできるでしょうか?」といったへりくだる姿勢が大切。