HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

零と百

「おいおい、酒の場で政治と宗教と野球の話はするな、って言葉を知らないのかよ」

「特にこのご時世、匿名でも発言によっちゃまた別の匿名正義マンに集られて潰されちまう」

「流行り病や海の向こうの戦争、著名人の死の真相、こんなニュースばかりで皆、心に小さなトゲができちまってる。なるべく刺激しないように生きられればいいだけの話なんだがな」

「どうも世の中には自分の意見と他人の意見を"白か黒"、"善と悪"、"10割かゼロか"の極端にわけて押し付けたがる連中ばっかりだ」

「この店のアンケートを見てみなよ。"良・どちらかといえば良・どちらともいえない・どちらかといえば悪・悪"これが設問ごとにならんでいるだろ?これを百人に答えさせて、全部が両端だけに偏った回答が一枚でもあると思うかい?もし全問"良"とか"悪"と答えたやつがいたとしたら、きっと何も考えずに丸だけ付けたんだろうよ」

日和見と言われちゃそれまでなんだが、要は"上手くつきあう"ってのが大事なんじゃないのかな。自分ひとりの世界じゃ君の意見は100%だ。だれかと生きていくってならそれは50%になるし、百人の社会なら1%、一億人のこの国じゃ…百万分の一ってことだろう。もちろん同じ考えを持つ人はいるだろうしその人たちと同調するぶんには構わない。けどな、それを押し付けたうえで、取り込めなかったら貶して落とすってのは乱暴すぎないかい?」

「まあこれも私見だから、もちろん忘れてくれて構わないさ」