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妄想雑記

酒と雨

新年度がスタートして、半年以上が経った。毎年、新たな別れと新たな出会いがあり、少し関係が進む時期だ。

これまでずっとバイク通勤だった僕は、悪天候のときだけ車で通勤するスタイルだったが、今年度からバイクに乗るのが難しい日はバスや電車を使うようになった。理由はもともと家族で複数台持っていた車を手放し、一台だけにしてしまったからで、雨天の日は比較的出勤時間に余裕があり、交通機関の往復本数が多い路線を使える僕が車の使用を辞退したのだ。半ば辞退させられた、と言ったほうが正しいかもしれない。

春のあいだはその真新しさで退屈はしていなかったが、梅雨の時期になるとほぼ毎日電車に揺られることになり、単純な往復がつまらなくなった。そんな折、ふと目にした地元情報誌で「大人の嗜み特集」なるものが載っていた。そう、自分で運転することが当たり前だった僕は、よくドラマやマンガで見かける「ちょっと一杯ひっかけて帰る」という選択肢を持っていなかったのだ。今ならこれができるではないか。というわけで、独りでもぶらりと立ち寄れる小料理屋や立ち飲み屋、BARなんかを探す趣味ができた。

なかでも駅近くの明るいメインストリートから少し外れた場所にある小さなビルの3階にあるBARが気に入った。広すぎず狭すぎず、酒の種類も豊富だ。とはいえ僕はカクテルやワインには疎いので、バスペールエールハートランドといった普段飲まないようなビールや、度数が強い酒が飲めればかっこいいだろうという若いころに覚えたウイスキーばかりを注文している。帰りの電車の時間もあるので、あまり長居はできないけれど、飲みすぎないためにもこれくらいで丁度いいだろう。

今夜も雨の予報だったので、いつものBARに寄って帰ろうか。ザ・グレンリベットをトゥワイスアップで、なんていいかもな。