二日連続で、追いかけられたりなんだりの夢を見た。
一夜目は、同い年の男女二人ずつでどこだかに泊まりで出かける息子たちを、途中までバスで送っていく夢。
地上地下合わせて40階くらいある駅ビル、しかも上から下までビルの中心は吹き抜けになっている。
41番ホームだかから高速バスは発車する。
夕方くらいにバス停に着き、ほぼ満員の車内で座るところを探す。子供らを大人3人座れるくらいのシートに押し込み、(さて、自分はどうするか)と思って車内を見渡すと、高校の時に付き合っていた彼女が座っていて、その隣は荷物が置いてあるだけ。
彼女の了解を得、荷物をずらして座ると膝掛け用のブランケットを分けてきた。
彼女の身体は温かかった。
そこから突然、場面は変わり、廃墟一歩手前のビルに自分は身を潜めていた。
数人で何者かに追われているようだ。
潜んでいるところは暗い。が、蛇のように自在に動く太いケーブルの先にライトとカメラが付いた偵察機が侵入してきた。
息を潜め、壁際からそっと目を凝らして行き過ぎるのを待つ。
しかし自分と、蛇のように動くそれの向こう側で、誰かが頭を出してキョロキョロしてしまっている。
ライトが視線をゆっくりと変えていく。
ライトが照らす先に、くっきりと彼の顔が浮かび上がってしまった。
ここで夢は終わる。
二夜目。
昨夜の続きかなんなのか、どこのビルかは知らないが脱出しようとしているグループに自分はいるようだ。
ビルの感じは、昨日の夢に出てきた駅ビルに近いだろうか。
戦闘のあとか、弾薬などであちこち破壊されている。
ビルが崩れるのも時間の問題で、敵に追われながらビルからの脱出を目指す。
すでに何人かは脱出に成功しているようだ。自分のポジションはしんがりらしい。
1階のエントランスまでたどり着き、ようやくそこで脱出できると思ったその瞬間、敵が目の前に現れた。
「爆弾魔(ボマー)」と呼ばれる超能力を持つ相手は、驚きのあまり硬直してしまった自分の顔、右の頬あたりをゆっくりと撫でる仕草をした。
音も痛みも全く無い。しかし小さな爆発が自分の顔に起こった。右のこめかみのあたりから、とめどなく血が流れ出ていくのを感じる。
脈打つたびに、血は流れていく。
右手で必死にこめかみを押さえ、なんとか失血を減らそうとしながら、逃げた。相変わらず痛みは感じない。
こめかみから押さえている右手をつたい、肘へと相当な量の血が流れていく。
なんとか仲間のいるところまで(なぜかすでにフェリーの甲板)着いた。
布団が敷き詰められた二等客室のようなところで尻もちをつき、身体を横たわらせる。
何人かが止血の処置をしてくれているようだが、自分の周りの動きがよく把握できない。
このままとりあえず身体を休めたい、眠ってしまいたい。
しかしこのまま眠ってしまったら、二度と目覚めることはないんじゃないかと思うと怖い。
強烈な眠気と、死への恐怖の間で薄れそうな意識が左右されている。
そこで目が覚める。
やれやれ、起き上がろうとすると身体が重い。