HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

人生は難しい19

「なぁ、不思議な事があるんだが」




『なんだ?』




「体の中で、二つあるものと一つしかないもの、それぞれの区別ってあるのかな」




『直感で言えるのは、"生命体として必要なものは一つ"じゃないか?』




「というと?」




『口、心臓、生殖器は一つずつしかないだろ』




「となると、二つずつあるものは生命活動には必ずいるものではないということか?」




『極端な話をするなら、両手両足をブッた斬られて、目を潰され耳にセメントを流されたとしても、栄養分の摂取と種の維持はできる』




「ふむふむ。では二つずつあるものに関しての理由付けは?」




『あると便利、だからかな。目も耳も一つでもいいが、二つあると距離感が測れる。手や足も一つでいいけど、二つあるといろんな動作が楽になる。』




「納得いかない点がでてきたぞ。臓器類の二つあるものはどうなるんだ?肺、腎臓、男性の睾丸は。それに、鼻の穴が二つある理由もわからん。臭いの距離を測るには左右が近すぎるだろ」




『内臓の点は予備、か・・・?鼻は知らん』




「予備、かよ。それならオレは肝臓と胃が二つあったほうがよかったんじゃないかと思うがなぁ。」




『今更、文句タレたってしょうがないだろ。それにお前の言うことは"一つしかなかった"から二つ欲しがってるだけだ。元から二つずつあったら、きっと他の一つしかないものを欲しがるに決まってる』




「そうかもな。」




『このままゴチャゴチャ考えてるとのぼせちまうぜ。あがろう。』




「風呂あがりの一杯はどっちにする?今日のオレの気分はラガーだ」




『オレは断然、一番搾りだな』







こんな会話がアタマの中で交わされていて、とても賑やかだ。




しかし最後のくだりは、これまた冷蔵庫の扉を開ける瞬間まで討論されることだろう。




なんとか即時に意見をまとめる方法はないだろうか。