「二週間経った」
two weeks ago
「弱点はアゴだ」
too weak “ago”
そんな事を考えながら、麻婆豆腐を作り始めたころ、息子が宿題を始めた。
『わからないトコあったら聞けよ』
そう言いながらひき肉を炒める。
早速、「んじゃー質問!何で宿題ってあるの?」
『答えてやってもいいが、それには小一時間ほど喋らなけりゃいけなくなるし、そうなるとドラえもんが始まってしまう。それに、今炒めてるひき肉が墨のようになってしまうぞ。
それよりも、ひとまず目の前にあるプリントをやってしまった方がお互いにいいんじゃないか?』
言い終わるや否や、彼は背を向けて宿題に取り組み始めた。
“何で宿題があるのか?”なんて、オレだって12年ほど学生生活を送ったが知る由もない。たかが1年のルーキーにはわかるはずもない。
ひき肉がいい具合になってきたので、みじん切りのネギを投入する。
宿題は既に漢字練習に入っているようだ。
豆腐を入れる。
なんか様子がおかしい。
消しゴムでノートをこする。
間違えたまま、ひたすら書き連ねていたことに気づいたようだ。
こちらは依然、フライパンの中の様子がおかしい。
ヘルプを出すと、水1カップを足すのを忘れていた。
『凡ミス、凡ミス』と慌てて水を足す。
何とか無事に麻婆豆腐は出来上がった。
何とか無事に、宿題も終わったようだ。
人生、誰かに助けられながら生きている。
色々、誰かに教えてもらって生きている。
さぁ、いただきます、と手を合わせた時に、
緊急地震速報の警告音が響く。
やれやれ、だ。
文中の半分くらいは、フィクションだ。