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妄想雑記

人生は難しい12

朝から灰色の空が街を覆い、冷たい雨が静かに降っている。



空の灰色は濁っているとも淀んでいるとも言えず、



どちらかといえば、まだ白に近い灰色だ。



静かに冷たい時間の流れの中で、


それでもひたすら時間が過ぎていくのをじっと待っている。



既視感を覚えて記憶を辿ると、



父方の祖父の遺体とともに斎場へきたときだったとわかる。



煙になって空へ昇っていくのを待つ間、



ちょうどこんな冷たく静かな時間が流れていた。



ただあの時と違うのは、



弔うために時間が流れているのではなく、



今は明日を、その先を生きるためにひたすら待っている。