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妄想雑記

紫陽花とリトマス試験紙

梅雨明けにはまだ遠い。ザアザア、ではなくシトシトと長く降る雨が、見渡す世界を濡らしている。

傘をさし、近所のコンビニへ行く。

空は明るい灰色、濡れた人家のコンクリートは暗い灰色、地面のアスファルトは濃い灰色と、グレーのグラデーションを作っている。

植物の緑が、この世界はモノクロじゃないことを主張していた。

雨に濡れた紫陽花が、数輪。

確か、土壌の性質で花の色が変わるんだったか。どっちがどっちだったか忘れてしまった。コンビニで用事を終えたら調べてみよう。

タバコとコーヒーを買い、コミックコーナーにお気に入りの新作が無いことをチェックして、家へ戻る。

スマホのウェブブラウザに「紫陽花 色」と入力し、検索をタッチする。

『一般に土壌が酸性ならば青、アルカリ性ならば赤』

だそうだ。小学生の時に使ったリトマス試験紙を思い出す。あれもどっちがどっちだったか忘れてしまっている。なにせ数十年使うどころか姿さえ見ていない。

『青が赤に変われば酸性、赤が青に変わればアルカリ性

紫陽花を青くしたいなら酸性だが、リトマス紙を青に変えたいならアルカリ性を用意しなくてはならないのか。

とりあえず"逆"と覚えておこう。

しかし、ただスマホやパソコンで調べただけの知識はすぐに忘れてしまう。