HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

ササノハサラサラ

梅雨の中休みか、ここ数日は雨が降らないでいてくれている。私の記憶では、5月に高めの気温が続いても、6月後半の梅雨入りくらいになれば長袖が欲しくなるほど、この時期には気温の上昇は落ちつくはずだった。だけどここ何年かは、梅雨時でも30℃くらいになる日が当たり前で、不快指数のインフレがすごい。せめて青空でも見えてくれればなぁと思い、手で額にひさしを作って空を仰いだけど、薄いグレーが広がっているだけ。

東北地方太平洋沿岸部は全国に比べて気温はさほど上がらないけれど、それなりに湿度は高いのでこの時季は苦手だ。早くエアコンの効いた部屋に戻りたい、なんて思いながら定禅寺通りを歩いている。

だいぶ年季の入った仙台市役所の正面入口には七夕祭りの飾りつけがされている。8月6~8日までの三日間に向けて盛り上げたいのだろう。

そういえば昔、当時の恋人との他愛のない話のなかで今でも覚えている言葉がある。

「一年に一度の逢瀬なんだから、誰にも見られないようにカーテンくらい引くだろ」

織姫と彦星が一年に一度だけ逢うことを許された特別な日だからって、短冊に書かれた願いごとを叶えてあげようだなんて太っ腹だね、なんてことを私が言ったのだった。ただ、夜空を見上げても天の川もベガもアルタイルも見えない。「どうもこの日は曇りとか雨が多い気がする、梅雨だからかな?」と私が言った言葉に、彼はそう答えた。

なんでこんなことを思い出したんだろ、と首筋にハンカチを当てながら考えたら、世間一般的には今日が七夕なんだっけ、とやっとわかった。宮城に住んでいると一ヶ月ずれちゃう。