HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

A MURMUR

よく晴れた冬の朝、トボトボと歩いていた。



晴れている上に、気温もそんなに低くなく、気持ちがいい。



気持ちいい、だけど何故かイライラしている。



甲高い周波数でペチャクチャ喋っている女子たちとすれ違ったり、携帯をいじりながら下を向いて歩いているヤツをこっちが避けたり。
もっと言うと、この世のあらゆる事に対しても苛立っているかもしれない。



ちゃんとしろよ政治家、だとか
全く自分には関わりのない芸能人のウダウダとか
残酷なニュースを見てしまったりとか。



身近なところで言えば、なかなかうまくいかないバイト、金欠で行けなかった飲み会のオモシロ話、他人の幸せをちょっとでも羨んでしまっている自分、にもイライラしている。







これも、季節柄のせいか。



派手な電飾、浮かれたBGM。



ここ数年、パートナーのいない僕にはもはや鬱々とした気分にしかならない。


それもこれも、結局の原因は自分の中にあるんだろうな、とはうすうす知っている。







イライラしないように、カルシウムを摂取しようか。「小さい頃から学校とかでよく牛乳飲みなさいって言われてるけど、ホントは日本人の体質には牛乳は合わないんだって。小魚とかのカルシウムの方が日本人には吸収されやすいみたい」って友人が言っていたのを思い出す。
ひとまず、煮干しでも買って帰ろうか。










夕方にバイトをあがり、またトボトボと家へ向かって歩いて行く。


日が沈むのが早い。その分、キラキラとした街の電飾が目立つ。




淡々とした生活をこなしながら、頭の中では波乱万丈の人生を思い描いている。





歩行者信号が赤に変わる。
今夜は何をして時間を潰そう。



また明日、朝が来て平坦な一日、一週間が始まるんだろう。





今夜くらい、何かドラマチックな出来事が起きないだろうか。







ちょっとイヤだけど、引き返してクリスマス一色の街中をぶらぶらしてみよう。