HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

春眠暁を覚えろ、いいかげんにな

春を押しのけて、夏が駆けてきたような気温の週末。世間ではゴールデンウィークが始まろうとし、テレビでは観光先の特集、ネットでは「GWはなんの略だ?」などと質問が飛び交っている。そんな部屋の中に嫌気がさし、年中ゴールデンウィークか盆休みの僕は散歩へ出かけた。


一説によると、地球上のヒトの体重と、蟻の重さを比べると同じらしい。少子化もなんのその、先進医療が進み高齢化社会目前と言われるまで長生きができるようになった人間たちは、着実に人口を増やしている。アリもどんどん増え続けているのだろうか。アフリカのサバンナだかメキシコの岩地だかに高々とそびえたつシロアリの蟻塚はかなり増えたのだろうか。ヒトを一人60kgだとして、いったい何匹のアリが増えれば同じ重さになるのだろう。そんなことを考えながらただ歩いていたら頭が湯だってきた。


ひとまずコンビニで冷たいビールを買い、市街地の中にある公園のベンチに座って休むことにした。木蔭は幾らか気温もやわらかい。


夕方になると、日中に繁華街で大きなイベントがあったからだろうか、市外県外からやってきたような旅行者らしき人々が通り過ぎていく。僕のいるベンチの近くにいつのまにかそんな中の一人と思しき女性がキョロキョロと辺りを見まわし、かと思えば手元のスマートフォンに視線を落としながら立っている。友人と待ち合わせでもしているのだろうか。すると、彼女は僕に近づいてきて「すみません、青葉ホテルとはこのへんですか?」と尋ねた。余談だが僕は最近、人に道を聞かれやすいと自覚している。

(続く)