HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

記念日にまつわる物語

「ねえねえ、今日は何の日だか覚えてる??」



日が暮れ始めた駅に近い歩道を二人で歩いていると、唐突に彼女は言った。


(何かの記念日か?)
しかし、パッと思い浮かぶものは何もない。


そもそも、僕たちは付き合い始めてまだ数ヶ月しか経っていないのだ。
それなのに、"何らかの記念日"の答えを期待しているようなこの質問・・・。


飲み会で出会ったのが4月、告白してOKをもらったのが5月のGWを過ぎた頃。
"〜ヶ月記念"とか"〜日記念"のキリのいい数字は考えつかない。


まあ、そんなの数えてもいないが。



(今日は8月31日。831・・"ヤサイ"の日か!?)と思ったが、彼女はベジタリアンではない。
SUBWAYのサンドイッチは好きだ、とは前に言っていたが、今日はこれから焼肉を食べに行くよていなのだ。





しばし回答に詰まっていたところ、


「覚えてないの?最低!」という案の定なセリフが飛んできた。


そのままスタスタと歩いていく彼女。






さあ、どうしたものか。

追いついて、発する言葉は二択。

『ごめん!何の日だか教えて下さい』
と言ってへりくだるか、

『おいおい、一人でサッサと行くなよ』
と言って質問をなかったことにするか。



どちらにしろ、ご機嫌ナナメな彼女と一悶着はありそうだ。




まだキスしかしてないのに別れてたまるか。




意を決して僕は彼女の後を追った。