「あー、寒い寒い〜〜」
『寒い寒いうるさいよ』
「寒いから寒いって言ってんだよ、悪いか。」
『"寒い"と思うから寒いんだよ。寒くない!』
「いや、"寒い"と皮膚が感じたから"寒い"と脳で判断して寒いって言うんだろ。寒いと思うから寒いんじゃなくて、実際に寒いから寒いと思ってしまうんだろうが」
『お前薄着なんじゃねーの?』
「ヒートテック込みで四枚着てるよ」
『そんなに着ててもまだ寒いのかよ、オレなんて上着の下はロンT1枚だぞ』
「もっと着込めよバカ。自慢するところ違ぇぞ」
『オシャレは我慢だ、ぜ!』
「オレはお前といるこの時間が我慢ならん。あー寒い寒い」
『もうちょっとだからさ、』
「あ〜寒い。缶コーヒー買ってくるわ」
『ダメだ!もうちょっと我慢してくれ』
「うっわ、もうすぐ0℃だぞ。もう3月も半分以上過ぎてんのに」
『あ、出てきた』
「んじゃ行けよ」
『あの子と付き合えたら、寿司奢るわ』
「焼き肉にしてくれよ、寒いんだから」
『んじゃ一世一代の告白をして参ります!』
「はいはい、分かってるからさっさと行け」
「ん?アイツの告白が成功したら彼女いないオレの存在が寒くなるな。バカらしい、帰ろ。」
「いや、失敗したらこのまま残念でした会に突入だな。おでん奢らせよ。よし、フラれろ!」
『来週映画観に行く事になった!んでこのまま帰すのもなんだから送ってくるわ!んじゃ!』
「独りぼっち、とは正に今のオレのためにある言葉だな。カレーでも食って帰るとするか…」