HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

ハッピー・ギャング

昨日の帰りの電車。桜の柄の刺繍が入ったお気に入りの春用上着を最近は毎日のように着ていましたが。最終電車の出発まで座席で座っていたところ、背中側の入り口から見覚えのある姿が。それは知った人間ではなく、ちょうど今着ている上着と同じ様なデザインのイケてないギャル男の分類にも入らないような兄チャン。「かぶっちゃってんじゃんよ〜」と気まずくなる。そしてさらに、彼はよりによってオレの隣の空席にドカッと座る。「おいおい、正面の娘に変な感じに思われるだろ!」とおもいつつ、刺繍の柄を確かめようとさりげなくチラ見。幸いな事に彼のは無刺繍。駅で降りるのはこっちが先。電車の中では終始腕組みをして、服をあまり見られないようにしてはいたが、果たして傍観者からはどう映っていただろうか。


今日の通勤中の電車の中。ボックス席に向かい合って座る初老の女性たち。隣で読書をする自分。糖尿病で知り合いが亡くなったとか喋っている。"世界に一つだけの花"が流れる。そう、それはケータイの着信音。隣の。この時点で「初老の女性」から「ババア」に変わる。電話にでる。目的地を告げる、電話を切る。そして2ページほど読み進めたところで、また鳴り出す着信音。年齢のせいか、音量は大きい。出るかためらっている様子。音が既に鳴っているのだから、そこは迷うなよ。そして、出る。

隣でタバコに火をつけ、煙をわざと顔の前で吐き出し、一口だけで灰皿に揉み消しながら「あなたのしている行為はコレとなんら変わりませんよ」と。

言えればどんなにスッキリしただろう。ただ、現世はタバコに厳しくケータイに甘い。




吐き出す息はもう白く、いつの間にかキンモクセイの香りも消えている。10月の終わり。