HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

鉄砲水

「この地下通路をいつも使ってるのか?」
『ああ、仙台駅からつながってるし、ある程度までは信号とか天気を気にせずに済むからね』
「雨も防げるしな」
「でも、この通路って、万が一、鉄砲水とか来たら大変な事になるだろうな。通行料も多いし。今後ろから水が押し寄せてきたらどうする?」
『大丈夫、それはない』
「そんなにキッパリと言い切れるのか?」
『100%無い』
「俺の好きなマンガに、"人が空想できる出来事は全て起こりうる現実である"ってセリフがあったぜ」
『巨大ガレオン船が降ってくるところだろ?その言葉は俺も好きだ。が、今の鉄砲水に関しては、ない。』
「世の中に"絶対"って言葉はないんだぞ」
『それは"絶対"は絶対無いっていうパラドックスだ。昔それで眠れなくなった事がある』
『それに今日の天気は晴だ。今から急にどしゃ降りの雨になったとしても、市内中央を走る水道管が破裂することがあっても、鉄砲水が来ることは、少なくとも俺たちがその被害に遭うことは絶対にない。見ろ、青空はもうすぐそこに。それよりも、この日照り続きで水不足になる事を心配しなよ。』
「水不足の事なら、問題ない。多分明日から雨だ」
『天気予報士でもないのによく断言できるな』
「断言はしていない。"多分"と言ったんだ」
「何事も希望だ。それを口にしている事で願いや望みが叶ったりする事もあるらしい。言霊ってヤツだ」
『そんな事を信じてんなら、"鉄砲水"のことなんて口にするなよ』
「それもそうだな」