HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

オータムジャンボチンジャオロースー

いつもより早く目が覚めた。カーテンを開けると空は灰色で、日ごとに冬が近づいているのがわかる。

テレビをつけると、芸能ゴシップやら法改正がどうの、流行のファッションやグルメだとかが垂れ流しされていた。ところで、「今年のトレンド」はいったいいくつあるのだろう?シーズンの移り変わりはおろか週単位で次々と更新されているのではないか。

 

番組の終わりのテロップで「今日の運勢」なるものがランキング形式で流れていた。眺めていると、僕の誕生月が今日の一位を獲得していた。「くじ運が絶好調。宝くじがオススメ」だそうだ。

この手のコーナーは同じ日であっても放送局によって違ったり、新聞や雑誌まで含めれば多岐多様だろう。なかには最下位を励ます目的なのか「ラッキーアイテム」を提示してくるものまである。いつだったかは忘れたが「そんなあなたに青椒肉絲」と超限定的なメニューの日もあった。

 

さて、日本の総人口をばらつきはあるにしろ12分割し、その中の数パーセントだったとしてもこの提示に従うとしたら、どうなるか。

120,000,000/12=10,000,000、仮に5パーセントが実際に行動に移すと仮定して500,000人である。彼らが昼めしに700円の青椒肉絲を食べれば、3億5千万円の消費が生まれる。

青椒肉絲」で3億5千万。もしこれが今日ならば、連番10枚3,000円の宝くじを買うべく500,000人が売り場へ並ぶ。1人1組しか買わないと低めに見積もっても15億円。「今日は運勢1位だからもっと買ったら当たるかも」と思い込んでいれば二倍三倍と増えるだろう。

これがメディアとその黒幕の手法だとしたら、と妙に勘ぐってしまい、僕は宝くじ売り場を横目に通り過ぎる。