確かに、いつぞやよりは歩みが重くなっているかもしれない。
若かりし頃より鈍く遅くなっているかもしれない。
そう感じるし、そう見えているかもしれない。
でもそれは、
肩に、
背中に、
両腕に、
担ぎ、背負い、守るものが増えたから。
一歩一歩を慎重に、滑ったり転んだり、あまつさえケガなんてしないように。
ケガなんてさせないように。
指先で川石の安定さを測り、
コケの滑りを避け、
流れに耐える軸足をブらさず、
対岸まで辿り着かなくてはならない。
鈍重ともとれる慎重さは、経験値の顕れだ。
何も恥じらうことじゃない。
遅すぎることなんて、ホントは一つもありはしないのだ。
先人がそう言ってくれている。