秋という季節は、むやみやたらに死生観を刺激する。
夏が終わって冬に向かうからか。
蛙の合唱が、蝉の喧騒に変わり、そのあとで秋の虫が一年のエンドロールを鳴らしている。
キンモクセイが香ったり、潰れた銀杏の悪臭に鼻をつまんだり、テンションやモチベーションの上下が激しいのも事実。
東の空にオリオン座がのぼってくる。
こどもの頃は、もっと自分の近いところにしか意識が届いてなくて、楽しいもの面白いものを簡単に探せたし喜怒哀楽が豊かだったけれど、今はその先の感情まで深読みするようになってしまって、何かを追いかけようとするが二の足を踏んでしまう。
悪くはない、そんなに嫌うもんでもない、と分かってはいるけど、やっぱりワクワクしない。