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妄想雑記

定位置

鞄に物をしまっている時に、ふと無意識にこれらには「定位置」が決まってるな、と思った。

タバコ、文庫本、財布、それぞれ鞄の違うポケットに収まっている。自分の持ち物なんだから当たり前だが。

思えば、産まれたときから「自分の定位置」というものも決まっていた。

新生児室のベッド、食卓の席、五十音か生年月日で決まる教室の机、職場のデスク。

タンスやクローゼットの引き出しに収まるシャツやボトムス、パソコンのフォルダに分けられているデータ。

産まれてから随時変化するも自分の定位置は常にどこかにあり、現在進行形で自分も何かの定位置を決めている。

なぜか。

たぶん、面倒なことになる、からだろう。

小学生の教室で席が決まっていなければ、毎朝窓際や後方の取り合いになる。早い者勝ち、になるか場合によっては揉め事になる。

タンスの中が乱雑だったら、コーディネートを合わせるどころか下着を一通り揃えるまでに時間がかかる。

乱雑、ランダムから新しく発見するものもあるだろうが、日常生活をスムーズにするためには「定位置」が必要だ。

だから僕たちは位置を定める。自分の位置が定まらなければ不安になる。

いつものカフェで深めに淹れたコーヒーと水を一杯ずつ、煙草を二本、いつものテラス席で。こんなことを考えていた。