「地獄」と聞いてどんな想像をするだろうか。
深く暗い地底、ゴツゴツとした岩肌、溶岩や血。色彩でいえば黒、褐色、赤。
「天国」と聞いてどんな想像をするだろうか。
吹奏楽、天使の翼、手と手を取り合い絶えぬ笑顔、色彩でいえばほとんど白。
空を仰いだ時、雨が降っていたなら気分が暗く陰鬱とし、死が少しだけ近くなる。
空を仰いだ時、雲が空に拡がっていれば、その上にあるであろう天国を想像する。
空を仰いだ時、晴れ渡った青空と陽射しが眩しかったら、澄んだ気持ちになれる。
天国を想像するときには空に雲が必要だ。
だけど誰も「早く天国に行きたい」なんて思いながら生きてはいない。
生きているうちに幸せでありたいし、なるべくなら死を考えたくない。