HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

妄想ライダー

仮面ライダーシリーズ。ここ一、二年は子供の成長(番組離れ)もあり見なくなっていたのだが、次期シリーズのライダーがついにバイクに乗らず、車に乗る!という話題がでてきた。これでは"仮面ライダー"ではなく"仮面ドライバー"ではないか、との指摘すらあったほどだ。






夏の終わりの良く晴れた陽ざしの中、タバコをくゆらせながら玄関先に座り、勝手に次の次のシリーズの"仮面ライダー"について思いを馳せている。


まず、"ライダー"に戻すためにはやはり何かに跨らねばならないだろう。
いったんバイクを捨ててしまったのだからそう易々と戻れまい。
となると馬か。否、それでは暴れん坊将軍だ。
となると自転車か。


普段は冴えない若者が、必死でママチャリを漕いでいる。
前カゴ、サドルの後ろには荷台がついていて、変速ギアなどはついていない。
坂道は立ち漕ぎしなけりゃならないし、平坦な道ではロードバイクMTBに次々と抜かされていく。
主人公はなぜそこまでこだわりを持ってママチャリに乗っているのか。


それは、このママチャリが大好きなおじいちゃんに買ってもらったものだったからだ。
嬉しそうに新品のママチャリを乗り回す主人公の姿を見ながら微笑む祖父。
しかし数年前に他界してしまった。主人公は形見と思って大事にフレームを磨き、チェーンに油を差し、大事に大事に乗り続けてきた。


大事に扱ってきた道具やモノには魂が宿る。
その魂が正義感のカタマリであったなら、主人公にある日突然ふしぎな能力が携わってもなんらおかしくはない。


夢の中でママチャリが主人公に語りかける。「君は明日から仮面ライダーになるんだ」と。
翌朝目覚めた主人公はまぶたをこすりながら洗面所で歯を磨き、夢の中のママチャリの言葉を思い出す。
そしていつものようにサドルに跨ると、両ハンドルのブレーキレバーの近くに見たこともなかったボタンのような部品が付いていることに気づく。
「?」と思いながらも両手でそれぞれのボタンを押してみる。


その瞬間、主人公とママチャリは眩しい光に包まれ、光の中でチャリは部品ごとにバラバラになる。
いつの間にか薄手の素材でできた強化スーツを着こんだ主人公に、チャリの部品がみるみる融合、合体していく。
タイヤは両肩に、ペダルは左右それぞれ腰骨に、サドルは硬質化しサイズが変形し、胸部腹部を覆うプロテクターになる。
部品それぞれが巧みに変形し主人公に装着されていく。
チェーンは鞭状の武器になった。


主人公の頭の中で、ママチャリのベルが鳴る。悪の組織をレーダーに捕えたようだ。


正義VS悪の組織の熾烈な争いの物語が始まる。


回を重ねるごとに、シティサイクルで颯爽と駆ける清楚なヒロイン、MTBが変形合体するゴツめの相棒ライダーなどが続々登場するだろう。



想像力の膨らみは限度がない。