HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

小さい秋みつけた-2

茶店に着くと、指定された時間より早かったにも関わらず彼女は先に来ていた。



学生時代から密かに恋心を抱いていたが、良き相談相手という肩書きから脱出できずに今に至る。



「遅れてごめん」と僕はイスを引きながら声をかける。実際には遅刻はしていないけど。



正面に座っている彼女が僕を見る。僕は彼女の目を見る。



その瞬間、例えば"運転中に余所見をしてしまってぶつかってしまった相手がパトカーだった"時のような「あ、終わった」という直感があった。



彼女は顔を赤らめながら、おそらく生涯の伴侶になるであろう男性について話し始めた。



僕は相槌を打ちながら、「祝うと呪うはなんで漢字が似てるのかな」なんて考えていた。



心の上に秋を見つけてしまった。