「今日こそは休肝日にするつもりだったんですけどね」
前日までの酒による失態を、昼食はサラダとスープのみにし、晩飯は茶碗二杯の白飯とおかずをしっかりと取り、いつもの時間に食欲がわかないよう調整することで挽回しようとしていた。はずなんですがねぇ。
そう彼は付け加え、グラスにカラカラコロンと氷を冷凍室から入れながらぼやいていた。
僕は彼のグラスにバーボンを注いでやり、そのグラスが彼の口元にゆっくりと移動していく様子を見ていた。
琥珀色と黄金色を混ぜたようなその液体が、僕の手にある瓶からグラスへ、そして彼の口から胃腑へと流れ落ちていく。
罪悪感と達成感、双方が織り成す高揚に僕は酔い始めていた。