HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

Go To コンビニ 1/4

男はコンビニへ行く。



長い残業を終えて、もはや帰ってから自炊する精神力はなくなっている。



いつもこの季節に限定発売される缶ビールと、適当なツマミで済ませてしまおうという算段だ。



閑静な住宅街、よりは"ただの田舎"と呼ばれるであろう自宅近くのコンビニへ寄る。


バス経路沿いとはいえ、車の行き来もこの時間はほとんどない。


駐車場には車が3台。客を待つタクシーが1台、タバコの自販機の前に停まっている。



店内に入り、グラビア雑誌の表紙を眺めながら冷蔵庫の前へ。
350ml缶のビールを2本取り、扉をバタンッと閉める。



パンの前で明日の朝食用の菓子パンを選んでいる女性が一人。



その後ろをすり抜けながら惣菜コーナーへ行き、スティック状のチーズとレンジで温めるだけの唐揚げを手に取る。



レジへ向かうと、奥の扉から店員がやってくる。
「温めますかー」と聞かれ、一瞬悩んで「はい」と答える。



釣銭を受け取り、ビールとチーズの入った袋と、唐揚げが入ったレジ袋の2つを提げて家へと向かう。



ふと、駐車場に停まってた車の数と、店内にいた客の数が合わないことを不思議に思ったが、

「どうせ近所の心無い連中の駐車場代わりに使われてるんだろうな」と自己解決した。




月が雲間から顔を出して、夜道が少し明るくなる。