「やっぱ、世の中金だよな、金」
『どうしたの?』
「いや、だからカネだよ、世の中カネさ」
『そうかな〜?お金だけじゃヤサグレた世界になっちゃうじゃない。クサいけど、愛でしょ、愛』
「愛なんてさ、」
『???』
「愛なんてさ、もうそこら中にあるじゃん」
「助け合い、話し合い、支え合い、励まし合い、慰め合い、時には抱き合い、今回の事で"あい"、愛は誰もが持っててそれはもう、誰からともなく発揮されてた」
『そういえば、そうね』
「って、ことはさ、もうみんな愛を持ってるんだから、これから必要なのは金だろ」
「何をするにも金はかかる世の中、ってことだけは変わってねーし、生きてくためには食わなくちゃなんねーし、何もしないで息してるだけでも家賃や税金はなくならねーしな。」
『でも、"世の中=金"って言い方じゃあ、反感買うわよ』
「いいんだよ、反感でも何でも買ってもらえりゃ金になるだろ」
『あら、反感は売れないわよ、言葉のあやなんだから。』
「え?そうなの?」
『今まで、よく生きてこれたわね』
「オレのまわりにゃ、愛あるヤツらがいっぱいいるからな」
『やっぱ愛なんじゃない』
「腹へったから、コンビニ行こうぜ」
『お金持ってるの?』
「オマエの言う"愛"で、何かくれねーかな」
『私の愛は売りモンじゃないのよ』
「そうか、んじゃとって置きの貯金箱ブッ壊すか」
『一円玉ばっかじゃないことを祈ってるわ』