「なんでこんなに毎日眠いんだろ」
『眠いのなら寝るがよい。』
「何?声?誰?」
『ときおり下界を訪れてみれば、汝のような輩がいつの時代もおるな』
「神様!?
何時間寝ても、いっこうに眠気がとれないのです。
何か良い策をお教えくださいませ」
『ふむ。
汝はちと強力な睡魔に取り憑かれておるようだな。無論、わたしの前にはどのような魔の力も意味をなさないが。普段から規則正しい生活を心がけておれば、わたしに頼らずともこんな魔力になど打ち勝てたであろうに。不規則な生活は自分自身を蔑み貶めている事になり、結果全ての歯車を狂わせる。それは命への、ひいてはわたしへの冒涜へとつながるのだぞ。敬虔な人間が多くなったと思えば、そうではない人間達も相変わらず存在してしまっているようだ。まあ良い、汝の声が届いたのもきっとわずかでも信仰心のあった証であろう。憑いている睡魔を取り除いてしんぜよう』
「………」
『む?』
「...zzz……ZZZ」
『ハァ…
永遠に眠っておるがよい』