“夏に盛り上がる恋は、終わりも早い”なんて言葉をたまに聞く。
しかし、夏に“勝手に盛り上がった恋”は、そうでもないのかもしれない。
夏のいかんともしがたい感情の飛翔、猪突猛進な若気の至り、それらを自分の内に秘めた恋なら。
はやる気持ちを押えつつ、季節は秋へと変わった。ようやくスタートラインに立った。
そうなれば、思い返すに恋が一番過渡期を迎えるのは晩秋〜初冬の今ごろか。
過渡期、“恋が愛に変わろうと”していた。
よく、寒空の中で星座を仰いだ。真夜中にさしかかればオリオン座が中空に座し、朝を迎える頃には西に傾いていた。これが僕の恋の座標。
煙草を吸いながら夜空を見上げる。座標がきらめいている。
燃え上がった恋の行方、ゴールはいったいどこにあるのだろう。