2016-06-04 デジャヴ・イン・ドリーム 「もう夜中にメール送ってくるのやめて」句読点のない文面に静かな怒りの気配がする。僕はケータイをパタンと閉じた。そのパタン、という音で目が覚める。夢だったか、と安堵しつつも妙にリアリティのある感じがしてサイドテーブルに置いたスマートフォンの画面をタップした。新着メールはない。が、開封済みのメッセージはあった。「酔っぱらってんのかしらないけど連絡してこないで」夢と現実は大差ない。ただ、時代背景が少し違っているだけだった。ベッドに仰向けに身体を投げ出し、部屋の天井を眺めている。