HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

人生の電源ショートストーリー

田舎のロケ番組。ディレクターが住民にインタビューしながら農村の紹介をしていく。
稲刈り後の後始末をしている老夫婦とのやりとり。

D「こんにちは〜。お仕事中すみません、ちょっとお話伺ってもいいですか〜」
稲わらを刈っているお婆さん「なんだべ?」
D「○○テレビの者なんですが、こちらの村の皆さんに色々インタビュさせていただいてまして」
婆「んだが。おい、おっ父、テレビだと」
稲わらを積みまとめていたお爺さん「どれどれ」
D「お手を止めてしまってすみません〜。ズバリ、今お幾つですか?」
爺「来月で86だわ」
D「お若いですね!お仕事もバリバリで!」
爺「あちこちガタはきてっけどな」
D「奥さんとはご結婚されてどのくらいですか?」
爺「60年くらいでねぇが」
D「夫婦円満の秘訣をお聞きしたいのですが、奥さんのことをどう思ってらっしゃいます?」
爺「空気だな」
D「なるほど。奥さんなしじゃ生きていけないということですね」
爺「そこまで大げさじゃあねぇけども。ま、いて当たり前っつーか」
D「うまく付き合っていくコツなどは?」
爺「ほら、アレだ。あんたら若い人らが最近言うべ、空気読めって」
D「お互いの気遣いが大事なんですね」
爺「んや、空気嫁
D「?」
お婆さん、持っていた鎌をフルフルと震わせている。