「君は僕の太陽、この季節に特に貴重な」
兼ねてから好意を寄せていた女性と二人きりで居酒屋にいた。
お互い旧知の中ではあるが、こうして会うのは初めてだった。
程よく酒がすすみ、僕は先述の古典的で本当に誰かが言ったのか分からないセリフを引用し、
何とか兼ねてから好意を寄せていたその女性と兼ねてから実現させたかった行為に成功した。
先ほどまで汗だくになって大きい呼吸を繰り返していた身体に水分はほぼない。
それでもアルコールを分解しようと肝臓は体内の水分を限りなく消費したがる。
翌朝、どちらともなく目が覚めたふたりはまだベッドのなか。
「またあいたい」彼女は僕の顔を覗きこむように言った。
「あたまいたい」僕は二日酔いの愚直な言葉を飲みこむ。