あけましておめでとうございます。今年もくだらない雑記にお付き合いいただきますようよろしくお願いします。
中学生のころ、ラジオにハマっていたときがあった。
と言っても四六時中聞いていたわけではなく、なんとなく聞いていただけではあるけど、一度だけ夕方に放送されていた番組に曲のリクエストをして採用されたことがある。記念にステッカーが送られてきたけれどどこへやったかは覚えていない。
ちなみにあの頃はFAXが家にある家庭なんてごく稀だったし、メールやインターネットなんて文化は全く無いに等しい時代だったので、番組へのリクエストは電話のみ。繋がった瞬間、妙に緊張したのを覚えている。
よく聞いていた番組に「赤坂泰彦のミリオンナイツ」があった。たしか2時間くらいの内容で、途中でJUDY AND MARYが5分くらいのトークをする番組が挟み込まれていた。
ミリオンナイツの中でよくかかる曲が幾つかあったのだけれど、思い起こせばくだらないのもあった。『ゴ、ゴ、ゴジラとメカゴジラ』とゴジラのオープニングメロディーに適当な詞をつけたのや、『屁〜こきましたねアナタ〜。誰も聞いていないと思って〜』などという小学生が好みそうな歌だ。
むろん中学生であった自分はその曲を友達と共有できるわけもなく、いつの間にか聞かなくなっていったラジカセとともに脳の引き出しの奥隅にフォルダ別されることなく押しやられていった。まるで一度しか読まれない年賀状の束のように。
それから十八、九年の歳月が経ち、対面キッチンで皿洗いをしていた2013年の暮れのある日、思いがけないところから件の“屁”の曲が耳に入ってきた。
10歳になる息子が口ずさんだのである。思わずスポンジを持っていた手を止め、「なんでその歌知ってるんだ?」と聞く。どうやらクラスで流行っている(恐らく男子の一部で)らしい。小学生にはド直球にウケるであろうことは想像に難くない。
伊坂幸太郎の「フィッシュストーリー」ではないけれど、ある曲が時空を超えて何かを成し遂げる(今回は何が起こったというわけではないのだけれど)ことはあるのだ、と実感させられ個人的にやや驚いたので日記へ連ねることにした。
特にオチはないが、人生はこれだからおもしろい。