日本の住宅は、大抵木造だ。
鉄筋コンクリートの技術が開発されるまで、建築物のほとんどは木造だった。
洋風な街並みを思い浮かべて、と言われれば大抵は石造りの家が並ぶ。
国や土地の歴史的に、日本はとても進歩が後発だった。
弥生時代に入り稲作がようやく日本で始まった頃、ヨーロッパでは鉄製の武器と鎧を身に着け他国を侵略したり、水道がすでに各家庭に引かれていた。
木造の家は、後世に残るだろうか。
例えばピラミッドとかモアイ像とか、マチュピチュだとかの古代文明の遺跡とされるものは岩石でできている。
木造の文化は、世紀単位で消えてしまうかもしれない。
燃えやすく、いずれは腐る有機物でできているからだ。
しかしそこには、石造りにはない"温もり"がある。
よく家の中から「ピシッ」という音がした時、『木がまだ生きて呼吸をしている』と言う事がある。
その日、その時にしか触れられない"温もり"が好きだ。
"一期一会"というのは日本人の国民性に深く根ざしている。