「今年って閏年だったじゃん。」
『もう忘れられかけてるけどな』
「2月29日生まれの人がピックアップされてたじゃん」
『4年に一度だもんな。なんとなく他の年は忘れられてて可哀想にも思うけど』
「私思うんだけど、2月29日生まれの人より、今日生まれた人の方がカワイソウじゃない?」
『早生まれの一番最後だし、そう言った意味じゃあ学年の中じゃ一番年下だしな。』
「そう。しかも、幼稚園とか小学中学じゃあ春休みで友達に祝ってもらえないし、そしてある程度になると今度はエイプリルフールのせいでからかわれちゃう」
『"オレ今日誕生日なんだ!"って言っても"どうせ、ウソだろ"しか言われなさそうだもんな』
「大人になったら年度末とか年度始めとかで影も薄くなってくし」
『でもそれ言ったら、クリスマスとか正月とかバレンタインとかのプレゼント系の日に生まれた人らもそうじゃないか?』
「世間的にはそうかもしれないけど、もしかしたら"プレゼント倍で"とか"お年玉倍で"とか得する事もあるかも」
『くれる相手がいればな』
「一番ラッキーな誕生日って何月何日なんだろう。」
『祝ってくれる人がいるんならいつでも一緒なんじゃねーの?』
「そうかもね。ところで、」
『なんだ?』
「私、明日誕生日なんだけど」
『ウソだろ』
「ウソじゃない」
『言う日が悪い。せめて昨日言っといてくれ』
「昨日は言いづらくて」
『なんでだよ』
「だってアナタの誕生日だったじゃない」
『あ。』
「お祝いされてる人にわざわざ言えないでしょ?」
『みんな忙しいって言ってばっかりだったから、家で一人で飲んだくれてただけだったよ』
「年度変わり生まれの宿命ね」
『間をとって、今日二人分のお祝いをしようか』
「それもウソ?」
『オレは普段から嘘吐きだから、エイプリルフールだからってわざわざウソはつかない』
「日が、悪かったわね」
『エイプリルフールの習慣って、ホントくだらないよな』
日曜の午後に、一人で仕事をしているとこういう妄想がポンポン沸き出てくる。
上記に書いた文の、どれか一行がウソ。
と、勘繰ると時間は幾らでも潰せる。