一見、風にゆらめきザワザワと揺られているように見えるかもしれない。
パッと見、グラグラと幹ごと揺れ動いているように見えるかもしれない。
上に成長を重ねたら重ねた分だけ、揺れ幅も大きく見えるだろう。
でも確かに、動かぬようにしっかりと根っこが生えて支えている。
他と比べれば小さいかもしれない。
他から見たら大きいかもしれない。
でも一人一人の中にある、最終的には譲れない、ブレない何か。
仕事、
趣味。
家族、
恋人、
友達、
自分の居場所、
他人との輪。
思想、
感情、
反射的な行動。
人によってそれぞれだろうけど、譲れない何かを誰もが持っているはずだ。
葉や枝や幹が多少揺れてしまっても、しっかりと根を下ろしているはずだ。
いずれこの木からどこか知らない場所に種子が飛んで行き、新しい根を下ろす。
ブレない何かがこの世界にまたひとつ生まれる。それはたまらなく素敵なこと。
昨日も今日も明日も明後日も。
十年前も五年先も、一年前も。