サイレン、てのは誰かが助かるための音なんだ。
って、みんなが気付いた。
消防車が向かう先には、「助けを求めてる人」がいるんだ。
その人達に早く近くまで来ている事を知らせるために、『ウーーーウーーー』って長い音でサイレンを鳴らしているんだ。
パトカーのサイレンが鳴る時は、どっちかっつーと行き先に何かがあったときだ。
悪い事したヤツがその先にいて、周囲のみんなに不穏な空気をもたらしている。
だから『フォン、フォン、フォン』って不穏な空気を失くすために走っていく。
救急車は、まずケガ人とか病人のトコまで急ぐ。患者を乗せたら、次は医者のいる病院まで急ぐ。
患者、医者と行き先が複数人数なので、『people,people,people』ってサイレンが鳴るんだ。
特に助けを必要としていないように見えていても、誰もがきっと心の中でサイレンを鳴らしている。
溜めきれなくなって、海とか山とか街中とかで、デカい声で『ウォォーッルァーー!』だの『ゥンヌア゛ァ゛ァァーー!』だの叫ぶ。
これもサイレンと一緒だ。
誰もが助かりたいんだ。
生きてくってのは、意外と大変だってわかったからな。
『ウォーッシャァーー!イェェーー!!』って、歓喜のサイレンが響き渡ればいい。