HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

Why do you walking?

「突然声をかけてしまってすみません、この雪の中、傘も差さずに?」
「今あなたは何を求めて歩いているのですか?みたところ大分肩に雪が」
『プレゼントを探しに』
「季節ですからね。相手はどんな?」
『大事な人です。でも、なかなかいい物が見つからなくて』
「そうですか。こんなに物が溢れかえっている時代にも、見つからないものもあるんですね」
『色々と惜しいものはあったんですけどね。ある想いがよぎって決められなくて』
「それはどういう?」
『もしも、相手に贈ったものが、気に入られなかったらどうしようというような』
「それは考えすぎではありませんか?贈り物は例外なく相手を喜ばせるものだと思いますよ。もっとポジティブシンキングに。」
『そうですかねぇ。何だかこの季節は時代の重みが感じられてしまうんですよ。どうしても、諸手を挙げてはしゃぐ気分にはなれないというか』『ほの暗い部屋で、極度の安心感と、眠りに落ちてはいけない危機感とが同居しているような』
「そんな季節だから、です。この空から降っている雪、一度目を閉じて。そして、相手を思い浮かべてみてください」

「どんな様子、姿でした?」
『流れるような音楽に身をまかせて踊るあの人の姿がみえました。多分、前にみたことがあるかも。でもその時よりずっと自由で、優雅です。水の中で、というよりはそこにある空間までも彼女の周りを追って踊っているような。なんだか上手く言い表せません(笑)』
「きっと素敵な方なんでしょうね。」
『面と向かって言われると照れくさいですが、そうですね。大事な人です。胸をはって言えます』
「それはあなたの歩く姿勢にも出ていらっしゃる。きっといい物が見つかりますよ」
『そんな気がしてきました。声をかけてくれてありがとう』
「こちらこそ、話を聞いてくれてありがとう」
『お互い良い週末を』
「良い買い物を」
『良い旅を』