HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

カメムシ

ちょっと前に、通勤中の電車に乗っていた時の話。
2両編成くらいのヤツに乗ってて、運悪く座れはしなかったので、入り口ちょい奥くらいに吊革に掴まっていた。
ふとドアが閉まるところを見ていたら、ドアのゴムの所、高さ180センチくらいの所にカメムシらしき虫が留まっている。すぐ目の前にサラリーマンらしき男性が立っていた。車内はそんなに混んでいない。
視線を正面の広告に向けて、ちょっとしてからまたドアのゴムの所を見ると、カメムシはもういなかった。「足元に落ちたか?もしやどこかに飛んで行ったか?まさか近くに来てないだろうな?」と視線だけで探すと、サラリーマン男性の左耳の少し上の髪の所に移動している。本人は気付いていないのか、知らんぷりをしているだけなのか、分からなかったし、周囲の人達も同様だった。
教えるか教えないか?その男性の所までは2メートルくらいあったし、教えたところで彼がパニックになって虫を振り払い、その衝撃であのカメムシ臭が車内に充満するのはさらにイヤだし、ある意味自分の近くには来てない事で安心もしていたので、アタマの中でどうしようか一瞬迷ったが、そのままそっとしておいた。

駅に着くまでこの選択肢が正しかったのかどうか悩んでいたけど、結局正解はその場でしか判断できなかっただろうという事で、考えるのはやめた。