HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

とある日曜の夜、

息子とサザエさんを見ていた。何年前からだっけ、『ンッガググ』から『ジャンケン』に替わったのは。無論テレビの前で一緒にやったんだが、ルールを覚えたての彼はサザエさんと同じ手を出して「当たった!」と喜んでいた。これからのためにまた一通りジャンケンのルールを教える。喜びも束の間、彼は両の手でジャンケンをしていた。

と、当たり前のように思っていたが、あながち彼のルールもハズレではないなと思い返した。相手が出す手に対して、勝ち・あいこ・負けになる確率は同じ3分の1。"確率"で言えばみんな同じだ。とすれば、「勝ち」と「あいこ」の違いは本人がそのジャンケンに対し何を目的としているかだろう。「競争」か「協調」か。
人間、生まれてから少しずつ物事を覚え、成長していくが、幼い頃に根付く感情は「競争」よりも「協調」の方が先なのかもしれない。そう考えると、あいこで喜んでいた彼にムリヤリ「競争」のルールを押し付けた事に多少の後悔をした。しかし、そのままでは社会のルールに適合できないだろう。これは自分への教訓だったと捕らえることにしたのだった。



ベートーベン・ピアノソナタ8番「悲愴」の第二楽章に涙腺が弛む。