HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

SNSNS-3

今日も今日とて、彼のIDとパスワードを入力。せっせと更新している。


まるで自分の分と彼の分とで人格が二つになったみたい。


でも、重大な事に気がついた。代理更新だと、風景やラーメン、動物の写真はアップできるけど、彼の友人知人や彼自身の写真はアップできない。そもそも、撮れない。


やはり"SNSNS"は無理なんじゃないだろうか。姿を消してしまった彼に問う。


少しずつ、更新の間隔をあけて、自然消滅していくしかないか。


ところで、彼のSNSをみていると周囲はベビーラッシュのようだ。一日に何件も、いろんな新生児、乳児、幼児の写真が微笑ましい親の感想とともにアップされている。私は彼の代わりに"イイね"をクリックする。


反面、よくもまぁこんなにもプライバシーをさらけだせるもんだ、と引き目になる自分がいる。アカウント本人の顔はネットに出さないようにしているのに、家族や友人の名前や画像はどんどんネット上に流していく。
芸能人やアーティストではなく、一般人の情報が。
公開先を限定したところで、閲覧できる人が実は心の奥底で何を考えているか分からない。
"名前をつけて画像を保存"されたらもう、そのプロフィール付き写真で何をされようと止める術はない。
コラージュされたり、勝手に流出されたり、誰の手に渡ってもわからない。
マニアックな人間というのはどの筋にもいる。


"SNSNS"を実行している私が言うのも間違ってはいるのだけど。


テレビやラジオよりも、インターネットの情報が優先される時代になってきている。


「SNSNS、もうやめるね」私はそう彼につぶやきかけ、ブラウザを閉じる。