『今夜も夢で逢おうね、オヤスミ』
なるクサイ台詞を吐く。
そんな話を聞いて吹き出しながら、「なんて言われたって?え?え?もう一回言ってみて、プフッ」
なんて面白おかしく聞きたがる人がいたら、クサイ台詞は二倍で"激臭"だろう。
この場合、この"聞きたがり"屋さんの心の奥底には、
「一度で聞こえているはずなのにセリフをもう一度言わせて悦に入る」というサディストと、
「クサイクサイ」と思いながらも激臭を望むマゾヒストの面が両方潜んでいる。
怖いもの見たさというか、
捻くれた好奇心というか、
かくも人の心理というのは複雑なものである。
見られたい、見られたくない。
関わりたくない、嫌われたくない。
知るのは恐い、知らないのは淋しい。
お腹が空いた、でも太りたくない。
プライバシーの保護、ダダ漏らす呟き。
宇宙の果てより、あの娘の心。
人間は本能に抗うことのできる珍しい生物だ。
本能のままに生きれば、さしずめ楽ではあるが、
ここまで知恵と狡猾さを学んだヒトがそんな生き方をしたら、
近く絶滅するだろう。
本能に抗う行為は、生存の為の選択肢なのかもしれない。
生きていたい、という本能の。
あれ?
本能に忠実になっている。
まあ、小難しい事はいい。
ダラダラと何が言いたいのかといえば、
特に何も言いたい訳じゃない。
ただ、黙っているよりはいいかと思っている。
ほのぼの、本能煩悩。