最初はグー。
ジャンケン、ポン。
9通りの勝負、勝つ確率1/3、負ける確率1/3、引き分ける確率1/3。
パーは、グーに勝つ。
石を包み込んで見えなくし、存在を隠すから。
チョキは、パーに勝つ。
ハサミで紙を切り裂くから。
チョキは、グーに負ける。
石はハサミでは切れないから。
形を変えられる事により負けるのは、パーだけ。勝つ時もクシャっと形を変える。
チョキは、手の構造上、他に比べて出しにくいはずだが、とりあえず何にでも攻撃的。
紙だろうが石だろうが、アグレッシブに切ってかかる。
グーは、切られても切れないから、という理由で勝ち、負けても別に損害はない。
ハサミが歴史上に発明される前は、人々は何でもって問題を解決していたのだろうか、などと考えてみる。
最初はGOOD。
初対面から派生する緊張が、うっすら和らいだ頃がベスト。
ドキドキしたり、ワクワクしたり。
しかし、緊張はやがてほぐれ、いつのまにか気付かずに消えている。
慣れる、という。
慣れは油断を生み、油断は慢心を生み、慢心は傲慢や怠慢につながる。
何に関しても、そうだ。
産まれてきた子供と親、恋人、生きていく社会、あらゆる行動と現象。
しかし、緊張した状態が続く、というのは非常にストレスが溜まる。
慣れ、は心地良い。
ちょうど緩やかな下り坂を滑り始めた直後のように、軽やかな空気が吹いてくる。
でも下り坂はあくまで下り坂、だ。
加速がついてブレーキが効かない頃にはもう遅い。
互いの傲慢と怠慢に苛立ち、それをまず押し殺し、溢れだして爆発する。
爆発は静かにやってくる。
しかしそれは確実にエクスプロージョンする。
何かは、壊れる。
そうならないためには、そうしないためには、新しい何かが必要になる。
子の成長する過程だったり、
恋人の意外な一面だったり、
日々変わりゆく何かだったり。
軽やかな風のうちに一度スピードを弛め、
ちょっとだけ登りなおして気を締める。
わかっちゃあいるが
これがなかなか、難しいんだ。