皮膚が
ぼろぼろと
剥がれ落ちていく
破壊と再生はまだ
体内で繰り返されている
いつかは全く新しい細胞達によって
私という肉体は形成されるだろう
だからこそ今
伸びきった髪や爪にも寛容になれる
つながっているうちはまだ私の一部だ
私が私であると
言い切る為に何ができよう
意識下にあるはずの全て
昨日までの記憶も
この瞬間の意思も
いつかは消えて
また新しい何かで
埋め尽くされて
再生される
私は何をもって
私を定義できるだろうか
肉体も
精神も
破壊と再生を繰り返しているのなら
世の中に私という存在ほど
不確かで不安定なものもない
私は私を定義付けできず
私は私を掌握しておらず
私は私を知らなさすぎる
だから、私は独りでは生きていけないのだ。
ああ、心臓は再生されないのだっけ。
鼓動を感じるために君の手を借りよう。
唇から生命エネルギーを
そうして私は私に安堵し
少しずつ生き延びる