HAPPY! I SCREAM

妄想雑記

sunrise

僕は、「冬が近付くと寒くて起きたくない」と駄々をこねた。

すると彼は、「それなら明日から、カーテンを開けたままにしといてごらん。僕が首をかしげて起こしてあげよう。」と言った。

それ以来、太陽は冬が近付くと周天の位置を下げ、窓を通して寝ている僕の顔に直射日光をあてて、暖かい目覚めをくれる。


ある日、分厚い曇が僕たちの間に介在し始め、より一層気温を下げた。

僕は太陽を心待ちにして、すっかり頼りきってしまっていたため、その日は起きる事ができなかった。

「君の良案はうれしいけど、毎日じゃなきゃ意味がないんだよ」とあろうことか太陽に当たり散らしてしまった。

それからしばらく太陽とは話をすることができなかった。
雲は相変わらず遮り続け、ときおり冷たい雨や雪を降らせて僕を困らせた。



ある日、雲が途切れた朝、太陽は首をかしげるのを辞め、少しずつ元の位置へ戻っていた。

無言のその行動に、見放された寂しさと焦りを感じ、僕は幼稚だった自分への恥ずかしさに顔を赤らめた。うっすらと汗ばみも感じた。

ふと気付くと、汗ばんでいるのは焦りからだけではなかった。
気温もホンワリと暖かくなっていたからだと気付いた。




無言のうちに太陽は春を連れて来て、僕のワガママに応えてくれていた。
そして僕は朝心地よく目覚め、一日をスタートさせることができる。